院長 松田和之

5歳~11歳のコロナワクチンについての考え方

最近受診された親御さんにときどき5歳~11歳のワクチン接種についての考え方を質問されることがあるので、私の考え方を示します。ワクチンのメリット、デメリットに関しては、すでに大規模な臨床試験のデータが出ており、メリットが上回る証明が出来たものが市場に出回るので、世界中でこれだけ接種が進んでいる中で、メリットが上回っているのは明白な事実です。具体的にメリットは”感染することなく免疫が得られること”ですが、この”免疫の持続期間が短い”ことが私は一番の問題に感じています。次に副反応に関しては、これもある程度の人数のデータから、成人に比べて発熱などの全身症状が少なく、筋肉痛で済む場合が多いことがわかっており、実際接種した経験からもその程度だと思います。接種量が少ないことがこの要因と思います。一番皆さんが感じている不安は、実績が少ないことだと思います。私は野球が好きでよく見ますが、やはり実績の少ない新人より、実績豊富なベテランの方が安心して見れます。実績が大事という点で、ことさら我が子に接種する注射であれば実績を確認してから、という考え方は大いに共感できますし、それに反論するつもりは全くありません。結論は、ワクチンは感染する前に免疫を得る方法として有用と考えており、また自身に基礎疾患がある場合や周囲に高齢者や基礎疾患のある方がいる場合はさらに積極的に考えた方が良いとも思いますが、ご自身、ご家族が、その有用性とリスクを十分納得した状態で打ちましょう、ということです。