Emergency care
救急対応
こどもの救急対応
大切なこどもが急に病気や事故にあったら、御家族のかたは心配したり慌てたりするのが普通です。
ここでは、一般的に多く遭遇するこどもの救急対応についてご説明しますので、いざという時のご参考にして下さい。
詳しくは、こどもの救急対応マニュアルをご覧ください。
急なこどもの発熱
こどもは大人より体温が高めで、37.5℃未満は病的な発熱と考えなくて良いでしょう。また38℃程度までの発熱は免疫がしっかり働くために必要な熱でもあります。こどもが元気であれば積極的に下げない方が良い場合も多いです。
高熱がでた場合、発熱の影響で脳に影響が出ないかな?とご心配される方もみえます。脳に影響が出るような発熱は、意識がいつもと違う状態が続いたり、けいれんが続くような場合が多いです。そうした状況が無ければ、発熱そのもので脳に影響が出ることは通常ありません。
ご家庭では
- 発熱に気付いたら、両わきや首、頭、股の付け根などを、氷枕や氷のう、冷たいタオルなどで(冷やし過ぎない程度に)冷やしましょう。
- 寒気がしたら温めてあげ、汗をかいたらよく拭いて着替えさせましょう。布団のかけ過ぎは熱がこもるので注意しましょう。
- 38.5℃以上でつらそうなときは、処方された解熱剤があれば、使用しても良いでしょう。
- 水分補給をこまめに行い、脱水になるのを予防しましょう。ある程度おしっこが出ていれば大丈夫です。
- 入浴は、体温が38.0℃未満で元気が良ければ、短時間の入浴で済ませましょう。高熱や元気が無い場合は入浴は控え、体を拭いてあげる等して下さい。
様子がみれそうな熱(診療時間内に受診しましょう)
- 38.5℃程度までで、いつもどおり遊んでいるか、すやすや眠っている場合
- 少し熱がある(37.5~38℃)
すぐに病院へ行った方が良い熱
- 発熱が39℃以上で不機嫌でぐったりしているとき
- 水分摂取ができず、おしっこがいつもより明らかに少ない
- 頻回の嘔吐や下痢を伴う
- 顔色が悪く苦しそうなとき
- 呼吸や意識がおかしいとき
- けいれんがなかなか止まらないとき
- 生後3か月未満の乳児
けいれん(ひきつけ)を起こしたとき
けいれんとは、急に体の一部または全身がピクピクしたり突っ張ったりして、呼びかけても反応しなくなる状態です。
けいれんと間違えやすい動きで、赤ちゃんの反射や、発熱時の震えなどがあります。可能なら動画などに記録を残して受診されると診断の補助になります。赤ちゃんが目をつぶって寝ているときに手足が時々ピクッとするのは、多くの場合けいれんでは無く、正常の反射です。また発熱が出る途中に寒気がして体がぶるぶる震えるのも、けいれんでは無い場合が多いです。声をかけて意識の確認をしましょう。
- けいれんに気づいたら、できるだけ落ち着いて様子を観察してください。可能であれば動画などに記録を残しておいてください。
- 指をかまれる恐れがあるので、決して口の中に指を入れないようにして下さい。
- けいれん中に吐いた場合は、のどが詰まって息が出来なくなる危険があるので、すぐ顔を横に向けましょう。
- けいれんが止まったら必ず体温を測って下さい。
- けいれんが5分以内で終わり様子をみれそうな場合であっても、翌日には受診するようにして下さい。
- けいれんが10分以上続く場合や、意識の回復が悪い場合は、夜間であってもすぐに受診できる施設を受診してください。
咳、ゼイゼイが強いとき
咳は、多くの場合、風邪や気管支炎、アレルギーなどが原因で起こります。 ごくまれに、異物の誤嚥などでも起こります。
以下のような咳は注意が必要となりますので、すみやかに医療機関を受診してください。
- せきこみが強くて、ぐったりしてくるとき
- 顔色や唇の色が悪いとき
- 乳幼児で、犬が吠えるような(またはオットセイが鳴くような)かすれた咳やかん高い咳が出て、息を吸うと苦しそうなとき
- 乳児で呼吸を止めることがあるとき・異物(ピーナッツやおもちゃ等)を誤嚥したとき
- 呼吸が浅く速いとき。または肋骨の間や首の下のほうが息をするときに凹むとき
- 喘息の発作と思われるゼイゼイ・ヒューヒューがみられ、苦しそうなとき
(喘息は、横になって眠れないときや、しゃべるのも困難な時はかなり重症ですので、夜間でもすみやかに医療機関を受診してください)
嘔吐(吐く)、腹痛のとき
こどもの嘔吐の原因はいろいろあります。あわてずに様子を観察して下さい。嘔吐の回数、内容、咳き込みを伴うかどうか。頭痛や腹痛を伴うかどうか。
発熱や不機嫌、食欲や排便の様子、下痢があるかどうかも重要ですので、可能な限り観察して、受診時にお伝えください。
また腹痛の原因は、便秘や胃腸炎、虫垂炎(いわゆる盲腸)などがあり、ほかにもアレルギーや精神的な原因まで様々です。
以下の場合は注意が必要ですので、すみやかに医療機関を受診してください。
- 続けて何度も吐いている
- 吐いたものに血液や緑色の汁(胆汁)が混じっている
- けいれんを起こしている。意識がおかしい
- 強い頭痛や腹痛を伴う
- 吐きすぎてぐったりしてくるとき
- おしっこの量があきらかに減っているとき
- 便に血液が混じるとき
- いつも柔らかいおなかが硬くなってくるとき。あきらかに顔色が悪いとき
- 発熱をともなう腹痛で、歩くとひびくようなとき
ご家庭でできること
- 赤ちゃんが哺乳直後に吐く場合、噴水のように毎日飲んだミルクを吐くときは、受診をおすすめします。それ以外の垂れる程度の吐き方で、体重が増えていれば心配ないと思われます。診療時間に受診してご相談ください。
- 胃腸炎と思われる吐き方の場合は、吐くのが落ち着いたところで、少しずつ水分をとらせてあげて下さい。常温に近いお茶や薄めたリンゴジュース、OS-1やこども用のポカリなど、飲みやすいものを少しずつ与えてください。ある程度飲んでも吐かなければ、食べやすいゼリーなどを少しずつあげるようにして下さい。胃腸炎が落ち着くまでは、あぶらっこい食事やお菓子は控えるようにして下さい。
頭を打ったとき
こどもは1歳頃になると自力で立って歩行し始めることが多くなりますが、まだよちよちで、バランスを崩して頭や顔を打つことが多くなります。
あらかじめ家具の角などにはクッションテープを貼る、階段に勝手に上り下り出来ないように柵を取り付けるなど、事故が起こらないようにしましょう。
もし転落や転倒で頭を打った場合、以下の様子を観察して受診を検討して下さい。
- 頭を打った後、すぐに泣いたかどうか、ぼんやりしていなかったかなど観察して下さい。
- 吐き気や嘔吐の有無、回数、呼吸の状態などを観察して下さい。
- 意識の状態に変化が無いかよく観察して下さい。うとうとして起こしても起きてこない時などは速やかに医療機関を受診してください。
- 何度も吐いたり(3回以上)、意識がおかしい、けいれんしている場合などは、速やかに医療機関を受診してください。
- 頭全体を強く痛がったり、呼吸が荒いなどの状況があれば速やかに医療機関を受診してください。
- すぐに泣き、泣き止んだ後は機嫌よく食欲がある場合。意識に変化なく、普段と変わりない様子で、受け答えが普通にできる場合。などは診療時間内に受診してください。
- こぶが出来た場合はぬれたタオルなどで冷やせば、数日で自然に引いていきます。こぶがどんどん大きくなる場合は早めに受診してください。
誤飲・誤食をした場合
こどもにとって危険なものを飲み込んだり食べたりした場合を誤飲・誤食といいます。
小さいこどもは何でも手でつかんで口の中に入れてしまいます。落ち着いて、何を飲み込んだか周囲にあるものから推測して下さい。
こどもが誤って食べてはいけないものを口にしないよう、家族の方が責任をもって、手の届く範囲に口に入るサイズのおもちゃや電池、たばこ、洗剤、殺虫剤などを置かないようにしましょう。
もし誤飲や誤食をした場合、以下の様子を観察して受診を検討して下さい。
- 飲み込んだ後、急にせき込むかどうか、呼吸の様子、嘔吐があるかどうか、意識の状態などを観察して下さい。
- 飲み込んだ後から咳が始まり、呼吸がおかしい場合は、速やかに医療機関を受診してください。
- 嘔吐が止まらない、顔色が悪い、うとうとして意識がおかしいなどの場合は速やかに医療機関を受診してください。
- タバコの吸い殻が入ったジュースなどを飲んだ、漂白剤、殺虫剤を飲んだ、灯油、ボタン電池、医薬品、とがった金属を飲んだ場合は速やかに医療機関を受診してください。
- タバコを少しだけ(2㎝以下)かじった場合、クレヨン、石鹸、紙、ビニールなどをかじった場合などは、診療時間内に受診してください。
- 受診される際は、出来るだけ誤飲したものがわかるようなものを持参して下さい。
- 誤飲・誤食で処置がわからない場合は、(財)日本中毒センター「中毒110番」に相談して下さい。
つくば中毒110番:029-852-9999(365日9時~21時対応)
ご家庭でできること
- 異物が口の中に見えるときは、人差し指をほほの内側にそって差し入れ、詰まっている物をかき出してください。
- のどに詰まっているときは、こどもの頭が下になるように抱きかかえ、背中を強めにたたいてください。
- 吐かせるときには指を喉の奥に入れて舌を押し下げます。(漂白剤、洗浄剤、石油製品などは吐かせると危険なので吐かせないで下さい。)
- まずは予防が大事なので、こどもの周りに危険なものが置いてないか、常にこどもの目線で確認しておきましょう。
各種緊急時ご連絡先
みえこども医療ダイヤル
- 対象
- 18歳未満のこどもおよびその家族
- 相談内容
- こどもの病気、薬、事故に関すること
- 相談者
- 医療関係の専門相談員
- 受付時間
- 月曜日~土曜日 19時00から翌朝8時まで
日・祝・年末年始(12月30日から1月3日まで) 8時から翌朝8時まで(24時間) - 電話番号
- #8000
※ダイヤル式、ひかり電話、IP電話などをご使用の場合は059-232-9955へおかけください。 - 料金
- 相談は無料ですが、通話料は利用者の負担となります。
伊勢市休日・夜間応急診療
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